品定めされているかのような、「当たり障りのない」をめざす会話。
 それが初対面だった。

 だから「いつでもいらしてください」とは言われたけれど、行きづらくて。

 数日が過ぎたころ。買い出しの帰りにばったり光石さんと会ったのをきっかけに、流れでそのまま光石さんの部屋でおしゃべりすることになった。

 それ以降、光石さんはちょっぴりくだけた話し方をするようになった。

 私たちは色んな話をした。