「………坂下、水飲む?」
「あー、ん。飲む。ありがとう」
「体平気?」
「ん、大丈夫」
「先シャワー浴びてきていい?」
「うん。私も、その後浴びる」
「……はは。坂下、ちゃんと私、って言えてるやん」
もうそんなふうに笑わないで欲しい。
今日の目的はもう済んだ?満足した?
ねえ古野。私が、簡単な女で良かったね。
「なあ坂下、カラオケあってんけど。ちょっと歌って帰ろ」
お互いシャワーを浴び終えたらもう理性に蝕まれた私たちはそこには居なくて、気まづさなんてものも何処にも存在していなかった。
きっと古野の人間性が自然とそうさせているんだと思う。