講師の話をそっちのけに頬杖をつきながら、
 結愛の顔をじっと見る碧央。

「……」

結愛は黙ってさらに左にずれようとすると、シャツの袖を引っ張られる。

「何もしないから!!」
(当たり前だ!)

 小声で話す碧央に結愛は下唇をかんで、黙ったまま、講義を聞き続ける。

「俺は無視かよ」
(何しに来てる??)