えっと……。
「笠井くんは愛花の中学からの彼氏で──」
嵐が去ったあとのようにしんと静まり返る中、あたしは雪平くんと山岡くんを交互に見て言った。
なんとなく、そうするべきだと口が動いたのだ。
「へー!」
「初耳だな」
簡単に説明すると、二人とも驚いたような顔をした。
たしか愛花と笠井くんは中2の春から付き合ってるから……もう2年になるのか。
そう考えるとすごいなぁ。
大好きな人と、一年先も十年先もずっとずっと想い合っていられるなんて、そう簡単にはいかないかもしれないけれど。
いつかあたしもそんな素敵な恋ができたら──。
──って。
無理よ、無理無理!
何夢見てるの、あたし!
思い出せてよかった。
あたしに恋愛は向いてない。
一番わかってるのは、自分自身でしょう?