予期せぬ展開に泣きそうになりながらはっと前を見る。
すると、にやにや口元に手をあててこっちを見る愛花と、なんだか気まずそうに目線を逸らす山岡くんがいて。
「〜〜〜〜っ」
「ん? 璃子ちゃんどうしたの?」
「な、なんでもないです……」
あたしは更に別の恥ずかしさを覚えることになったのだった。
──こうして、みんなでお互いに得意教科を教え合いながら、2時間くらいが経った。
ちょっと休憩しようかなんていう空気になり、ペンを置いた時。
「……ん? 健太郎だ」
スマホを手に持った愛花がぽつりとそう呟いた。