「……山岡くんて、優しんだね」

「別に」

「ふふ」


……そんな照れなくていいのに。


「きゃーーっ」

「来た来た〜」


……ん?

急に廊下の方がザワザワして……。

もしや──!


「雪平くぅん、おはよーっ」


──バチッ。


刹那にしてあたしと山岡くんは目を合わせた。


「内緒な」


りょーかい。

囁くような小さな声に対し、コクリと密やかに頷く。