「ねぇ諒くん。その人が言ってたことなんて、気にしなくていいんだよ?」
先輩だかなんだか知らないけど、純粋な青年に余計なこと勝手に吹き込んでくれちゃってさ。
まったく、迷惑この上ない話よ。
「そうなの?」
「うん。あのね。あたしは、大好きな人には思いっきり愛を届けたいし、反対にたくさんたくさん届けてほしいって思ってるの」
人の気持ちって難しくって。
想ってるだけじゃ伝わらないし、伝えようと思ってもなかなか100%伝わるようなものじゃないから。
「だから、これからは遠慮なんてしないで、諒くんの気持ち全部ぶつけてほしい」
微笑みながらそう言うと、諒くんはきゅっと唇を噛み締めた。
「俺……多分璃子ちゃんが思ってるよりも、何十倍も璃子ちゃんのこと好きだよ。……それでも?」
「うん、もちろん!」
好きな人からの好きなんて、いくらでもほしいもの。