「このままじゃ、その、歯止めが利かなくなりそうだったから……」

「っ? どういう、こと……?」

「だからっ。女の子って、あんまり男ががっつきすぎるとひいちゃうんでしょ?」


え?

あたしは耳に届いた言葉に首を傾げ、意図せずぱちぱちと瞬きを繰り返した。


「部活の先輩に聞いたんだ。そういう女心を理解しないとじきに愛想尽かされるぞって。……それなのに、璃子ちゃんに触れる度、もっともっとって求めちゃう自分がいて……なんとか理性保つので精一杯で……」

「……っ、なに、それ」

「あーーもう俺、かっこ悪……」


いつもより赤くなった顔に、潤んだ瞳。

羞恥に満ちたそんな表情を目の前に、ドクン、ドクン、と鼓動が騒ぐのを自分の意思ではもう止められなかった。

冷房がきいた部屋にいるはずなのに、さっきから身体が熱くてじんわり汗まで滲んでる。