「……ごめん。やっぱ無理」

「えっ……」


頭が真っ白になった。

ポトッと口から膝の上に落ちていったそれを拾う余裕なんてない。


……そっか。

やっぱり、そうなんだ。

あたしは放心状態のまま、胸の底から溢れてきた言葉をポツリと落とした。


「諒くんは、あたしのこと……もう好きじゃないんだ」

「違っ」

「だってそうでしょ? 最近全然あたしに触ってくれなくなったし……」

「それは……っ」



色んな作戦考えて。

どうやったら諒くんの目がまたあたしに向いてくれるんだろうって、頑張ったのに。


悲しいとか通り越して虚しい。

顔を上げてるのが苦しくて、あたしは逃げるように俯いた。


「もうやだ。あたしだけこんなにも好きで、あたしだけドキドキして──」

「だから、その逆なんだって!」

「……っ?」


大きく放たれたそれに、頭も身体も全てが一瞬にしてフリーズした。