「璃子ちゃん……」


……はい。

あたしは準備万端だと言わんばかりに、そっと目を閉じた。

ドッ、ドッ、と大きく身体に響く鼓動に、なんだかそわそわとしてくる。

ほら。

ねぇ早く、きて……っ。


「ダメだよサボろうとしちゃ。苦手な問題に眠たくなるのはわかるけど、宿題早く済ませたいんでしょ?」

「……え」


あたしは瞑っていた目をぱちっと開けた。


さ、さぼる?

ねむたく、なるぅ?


「俺は解き方教えるだけで、実際に解くのは璃子ちゃんなんだから」

「そ、そですね……」


諒くんのバカーーーーぁ!

ひどい。

そんなんじゃないのに。なんで気づいてくれないのよぉ!