「あ、これ。この問題なんだけど……」


そう言って広げた問題集の一問をテキトーに指差す。

そしてあたしは隣に座った諒くんにぴとっと身体を寄せ、その肩にもたれかかった。


あーー幸せ。

相変わらずいい匂い……。


それから上目遣いでじぃーーーーーっと見つめれば、ほら完璧。

あとはこっちを向くのを待つだけ。


「……っ」


きた!


「諒くん……」


確実に絡まりあった視線。

部屋に二人きりの恋人同士、このあと起こることといったら、もうアレしかないでしょ。