「あ……それ」


ふと、首元に目がいって、声が洩れた。


「うん、あたしのお気に入り!」


そう言って恥ずかしそうに微笑む姿がなんとも愛しい。


首元で光るそれは、苺のネックレス。

苺が好きな璃子ちゃんにピッタリだと、俺が彼女の誕生日に贈ったものだった。


誕生日プレゼントなんて、あまり……というかそもそも女の子に贈ったことなんてなかったから、これで大丈夫なのかと不安でいっぱいだった。

それを、こんなにも喜んでくれるなんて……。


嬉しいようなちょっと照れくさいような気持ちに浸っていると、璃子ちゃんがそっとネックレスに触れた。


「これつけてると、諒くんを感じられるから」

「……っ」


あーーもう、この人は……。

自分がどれだけ恐ろしい発言をしているのか、絶対気づいてないだろ。


「璃子ちゃん。お願いだから、いきなりそういう可愛いこと言うのやめてくれないかな」

「え? そんなこと言った?」

「……言った」


外だから自我を保てたものの、家とか誰もいない場所だったら、このまま抱き寄せて腕の中に閉じ込めて……。