「いつもは〝元気印です〟みたいに騒がしいお前が、嘘みたいに大人しいからさ」
……へぇ。
案外、あたしのこと見てくれてるんだ。
でも。
「元気印って、それはあんたの間違いでしょー？」
「まーな、俺は元気だけが取り柄の男ですから」
「ふっ。それ、ドヤるところ？」
思わず吹き出してしまう。
そんなあたしの頭に、なぜかポンッと手が乗せられた。
「やっと笑った」
「へ……？」
「藍原は、笑ってる方がいいよ」
「……っ」
……なによ、その顔。
柔らかい、優しい目をしてる。
絶対、からかいに来たんだと思ったのにな。
わかりにくいけど、いつもそう。
旭は、意外といいやつなんだ。
……あたしのこと、励ましてくれてるんだね。
