* 夢だったらよかったのに。 何度思ってもそれは現実で、漫画のようにつねってみた頬が痛い。 とあるカフェのソファー席に座ったあたしは、ドクドクと全身が脈打つ感覚に必死に耐えていた。 どうしてこうなったんだろう。 わかる……けどわかりたくもない。 ただ一つ言えることがあるとするならば。 「添田(そえだ) 遥斗(はると)です」 「雪平(ゆきひら) 諒(りょう)です」 この場が、ものすごーーーく、気まずすぎるということ。 それは、今から2日ほど前の話──。