「なんでぇ、こんなにも想ってるのにぃ〜」


ここがカフェであることを忘れてるのだろうか。

響くのは切実な声。


そんな姿を見てか「あの二人、案外お似合いじゃない」と、愛花がぽつり零した。



***



これから予定があるという桃園さんと丹羽さんと別れたあたしたちは、歩いて10分ほどにあるらしいゲームセンターに向かうことにした。

プリクラとか長らく撮ってないから、楽しみかも。

なんて思いながらも、すぐに浮かんでしまうのはさっきの桃園さんの姿で。


……かっこよかったな。


離れても尚、やまとなでしこという言葉がピッタリのあの真っ直ぐな目が忘れられないのだ。



「うそ」


と、急に驚いたような声がして横を見る。

そこには、まじまじとスマホを凝視する愛花。


「どうかした?」

「……ごめん」


わけがわからず、ん? と首を捻ったあたしだったけど、すぐにその意味がわかった。