なに?

そう、思考を巡らそうとしているうちに雪平くんが近づいてきて……。


「甘っ」


い、今舐めた?


「やっぱダメかー。璃子ちゃんの見てたらいけるかと思ったんだけど、俺にはちょっと甘すぎたや」

「そ、そう……」

「溶けやすいみたいだから気をつけてね」


雪平くんあんたなんてことを……。

あたしは唖然と突っ立ってしまう。


いやでも、だって、

こんなの間接……。


──ってあたし、意識し過ぎ?


ふと我に返って気づかされる。

雪平くんにとったら、きっとこんなのなんでもないことで。

よくある挨拶みたいな、そんな感じなんだ、と思う。

この前だって、何食わぬ顔して唐揚げ食べてたし。

あたしも、あのお昼休みの時はちょっとビックリしたくらいで、特には意識してなかったけど。