「いーの。嬉しいから」
頬に添えられた手。
グイッと引き上げられ、自ずと目線が一緒になる。
触れられた部分が熱くて堪らない。
目を逸らして逃げてしまいたいのに、なぜだかそうすることができなくて。
瞬きすら忘れて宝石のような瞳をじっと見つめてしまっていた。
「でも」
……でも?
「絶対好きになってもらうから」
「っ!」
「それだけは覚悟しといてね、璃子ちゃん?」
もうなってるんだけどなぁ。
なんて、言えるはずもなく。
「今日はありがとう! 部活頑張って!」
あたしは咄嗟に全然関係ないことを口にしてしまったんだ。