「ねぇ、藍原さんって今好きな人いる?」 「え? いないけど」 答えながら首を傾げる。 なんでそんなこと──。 「じゃあさ……」 すうっ、と吸い込まれた息。 雪平くんはそのまま、きゅっと口角を高く結んだ。 「俺、藍原さんのこと好きになってもいい?」 へ? スキニナッテモイイ? それって、つまり……。