「雪平くん、あそこ座ってくれる?」

「え、でも」

「大丈夫。あたし、こーゆーの慣れてるから」


早速中に入って、えへんと胸を張る。

元バスケ部のあたし。いざという時困らないように、手当の仕方は心得てるのよね〜。


「⋯⋯ふは。ならお願いします」

「うん」


なんで雪平くんが笑ったのかわからなかったけど、あたしは差し出された左腕を手に取った。



「どう? 痛くない」

「うん。ちょっと冷たいけど、いーかんじ」


患部に冷却剤を押し当てる。

暫く冷やしてたらきっと治りも早くなるだろう。


「そうだ、テーピングもした方がいいよね。傷もできてるし」

「うん」

「じゃああと5分くらい冷やしたら、ガーゼ貼るね」

「え」


ん?


「やっぱり冷たい? でも我慢してね」

「……」


ちょっと可哀想だけど、アイシングって大事だって言うし。