ぎゃーーーーーっ?!
まずいと思った時にはもう遅くて。
「そんなところで何してるの?」
思いっきり合ってしまった目と目。
あたしはただ、まっすぐ前を見据えることしかできない。
「えっと、その……うぉ、ウォーキング? いやー、最近運動不足が気になってて〜」
「へぇ。偉いなあ」
「ま、まあね」
よっしゃ!
なんとかごまかすことに成功したあたしは、心の中でガッツポーズを決めた。
……っていうかそれよりも!
マスクもメガネも取ってないのになぜあたしだと!?
雪平くん天然なのに、何でこういう時だけ妙に察しがいいのよ!
だらだらと冷や汗が流れる中、〝ほらみろ〟とほくそ笑む旭の顔がすぐ目に浮かんで悔しい。
「りょー? 誰この子」
と突然、雪平くんの後ろからひょっこり顔を出したその人と一瞬視線がぶつかった。