「その格好、全然変装になってねーぜ?」

「なっ」


あたしが慌てて顔に手をやると、旭は「くっくっくっ」と笑いを堪えるように肩を震わせた。


「じゃーな」


……ほんっと、旭ってば。

優しいのか意地悪なのかよくわからないやつ。



……って。あれ?


旭を見送ったそのすぐ後、あたしはとんでもないことに気づいて青ざめた。


──雪平くんたちどこ!?


さっきまではそこの席で飲み物を飲みながら座ってたはずなのに、忽然と姿を消しているのだ。


もしかしてあたし、見失った?


ざわめく心で辺りを見渡してみる。


「もう、どこに行ったの──」


「あれ、璃子ちゃん……?」

「……っ」