「ここでそういうふうに拒むってことは、真夏くんにとって、私とのキスは想いを確かめ合うものじゃないってこと?」

「すみれちゃんっ、あの……」



ショックだった。



(告白する前に振られているようなものじゃん)



「……あ〜ぁ、そういうことなんだ? ごめん、ひとりで盛り上がっちゃってたから」

「すみれちゃん」

「いいよ、もう。真夏くんが嫌がることは私、絶対にしたくないから」

「……あの」

「そうだよね? 真夏くんだって想いがこもったキスがしたいよね? その相手は私じゃないんだって、ちゃんとわかったから大丈夫だよ」



ヘラヘラ笑って、真夏くんから視線を外した。



(あ……。ダメだ、涙出そう)



「ねぇ、すみれちゃん。オレの話、聞いてよ」

「やだ」
と、私はそっけなく答えた。



「今は何も聞きたくない」



涙があふれて。

頬にこぼれ落ちた。