朝、起きると。
目の前に真夏くんの顔があった。
(えっ?)
……そうだった。
昨夜はベッドでおしゃべりしていて。
いつの間にかふたりとも眠っちゃったんだった。
真夏くんの頬を指先で撫でる。
「ん……?」
真夏くんが目を開けて、ぼんやりした瞳で私を見つめた。
「おはよ」
と、声をかけると、
「…………」
返事がなかった。
数秒経って。
真夏くんが目を見開き、上体を勢いよく起こす。
「えっ!? えっ、えっ!?」
慌てているので、
「昨日はおしゃべりしつつ、ふたりとも寝ちゃったんだよ」
と、説明する。
真夏くんはまだ慌てた様子で、とりあえずベッドからおりて。
「ごめんなさい」
と、何故か頭を下げた。
「えっ? 何が?」
「すみれちゃん、絶対に嫌な気持ちになったよね? 心から反省しています……」
「……真夏くん、あのね」
と、私はベッドの上で上体を起こし腕を組み、眉間にシワを寄せた。