私は真夏くんの手を握り返す。
「いつかみんな、私のことなんて忘れちゃうかもしれないとか、本当はこんなに弱い私を知られたらきっと嫌われてしまうとか、不安でたまらない」
「……」
こんな弱音を言うなんて。
真夏くん、困るよね?
「すみれちゃんの抱えている不安、オレにも教えて」
「えっ?」
「そしたらきっと、不安なんかどっかいくよ」
真夏くんは自信たっぷりな表情で、私を見た。
「人に話すと、なんだ、こんなことで悩んでいたんだって、気持ちが楽になることだってあると思うからさ」
「……真夏くん」
それから。
真夏くんとベッドに並んで座り、私は話した。
最初は仕事の不安を聞いてもらっていたけれど。
確かに、話してみると。
そんな不安がることでもなかったのかな、と思えるから不思議だった。
だんだん、幼馴染み同士の共通の思い出話になり、小春が面白かったり、可愛かった話になった。
時間を忘れて、私達は夜通しおしゃべりをした。