「?」

『大概のことは、すみれちゃんは自分で何とかしちゃうけど。もう無理って思ったことは、お兄ちゃんに助けてもらってね』

「小春……」

『そうやってすみれちゃんは乗り越えられるって、私は知っている!』



小春の言葉に。

胸の奥がジーンとした。

……小春のくせに。

私のことを、よくわかってくれている。

あんなに小さかった小春なのに。



「今度、そっち帰ったら会おうね」



しっとりした気持ちで言ったのに、
『えっ! また何か脅してくんの!? もう怖いんだけど』
と言われて、大笑いしてしまった。



電話を切ったタイミングで真夏くんがお風呂から上がってきたから、私も入れ違いにお風呂に入った。



お風呂から出て、洗面所で髪の毛にドライヤーをかけようとした時。

ふと思いついて。



「真夏くーん」
と、ドライヤーを持って洗面所から出て、部屋で水を飲んでいた真夏くんに声をかける。



「ん?」



キュンとした。

その『ん?』、大好き。

いやいや、そうじゃなくて。



「乾かして」
と、ドライヤーを渡す。