(真夏くんにこれ以上、心配かけさせたくないな)
と思いながら、ふたりで片付けをした。
真夏くんが先にお風呂に入って。
その間、小春に電話をかけた。
『もしもし、すみれちゃん?』
と、コール二回で小春が出てくれる。
きょうだいのように思ってくれている話を思い出し、
「小春〜、好きだよー」
と伝えると、
『何? 怖いんだけど』
なんて、ガッツリ引かれた。
「小春に教えてもらえたから、今、真夏くんのところにいるよ」
『すみれちゃん、大丈夫なの? なんか、ネットですごい記事いっぱい出てるけど』
「大丈夫。心配しないで」
『すみれちゃんの『大丈夫。心配しないで』は、あんまり信用出来ないからなぁ』
小春の言葉に、私は面食らってしまう。
「えっ? そう?」
『強がるんだもん、すみれちゃん。そんなの、私でもわかるんだからね』
何て言っていいかわからなくて、少し黙ってしまう。
すると、
『お兄ちゃんに甘えていいんだよ』
と、小春が言った。