つい突き放すような言い方をしてしまった。

でも。

こんな弱い私を、知られたくない。

嫌われたくないもん。



「放っておけるわけないじゃん」



真夏くんは私のそばに来て、隣に座り、
「どうすれば楽になるとか、ある?」
と、尋ねた。



「わ、わかんない。いつもはうずくまっていたら、わりとすぐに治るから」



私は恥ずかしさから目頭が熱くなってくる。



涙が溢れてきて、
「違う、違うの」
と、真夏くんに訴える。



「いつもこんなに弱いわけじゃないんだから」



真夏くんは、
「大丈夫だから。すみれちゃん、落ち着こう」
と、座ったまま私を抱きしめた。



ぎゅっと抱きしめられて。

真夏くんの鼓動の音が体に伝わってくる。

トクトク……と、その音に耳を傾けた。



私の背中を真夏くんが優しくさすってくれる。



「大丈夫、ここにはオレとすみれちゃんしかいないから」

「うん」

「泣きたい時は泣いて良いんだよ」