「えっ?」
『あなたが全てを無責任に放り出すような人間だとは、私には思えない』
「福田さん……」
『何か、考えがあってのことよね?』
胸の奥が熱くなった。
(私、この人とずっとお仕事していきたい)
こんなに私のことを見ていてくれる、そして信頼してくれる人と。
この先も二人三脚で進んでいけるように。
私、頑張りたい。
「福田さん」
『……何? 私にも話せない?』
「今は無理だけど、次に会ったら必ず話します」
部屋の中にいる、真夏くんを見た。
電話中の私を気遣って背中を向けて、窓のそばに置いた豆苗を見ている。
『お説教は覚悟しておいてね。もう、雷落とすんだからね。私、怒ると怖いって知っているよね?』
と、福田さんが言う。
「ありがとうございます。絶対に、福田さんに会う時までに、私の目的は果たします」
『わかった。でも、気をつけてね。くれぐれもエゴサーチはしないで。あなた、そういうの気にしてしまうから。仕事の邪魔よ』
「はい」