「ウチらで高野さんのこと、守ろうよ」
「えっ、マジで。何それ、かっけー」
私と真夏くんは急展開にポカンとしてしまった。
「ちょっと、本人がそんなにポカンとしてたら、守れるものも守れないんだけど」
背の高い女性になぜか怒られた。
「ごめんなさい」
「いや、返事はいいから。SNSって、すぐ広まるんだから、とにかくどこか、安全な所に隠れたりしたほうがいいよ」
「……ですよね」
真夏くんとその場から離れようとして。
「ちょっと待って」
と、赤いハイカットスニーカーの女性に呼び止められた。
「やっぱり、一枚だけ一緒に写真を撮ってくれませんか!?」
そう言った女性に、他の四人は、
「何言ってんの、お前が世間にバラすつもりかよ」
と、止めにかかる。
「違う、そんなんじゃないけど、でも」
赤いハイカットスニーカーの女性が、私をまっすぐに見て、
「やっぱり高野さんって可愛いから、出会えたことを一生の思い出にしたい……」
と、真面目な顔をして言った。