真夏くんは不思議そうな顔のまま、
「そうだったかな?」
と、納得しようとしている。
真夏くんに嘘を吐くのは、なんだかお尻の上あたりがモゾモゾするような気持ち悪い感覚になるので、私は正直に話すことにした。
「小春を脅して、居場所を吐かせた……」
衝撃的な言葉だったのか、真夏くんが一瞬フリーズする。
小春というのは真夏くんの妹で、私に二つ年下の中学二年生。
ソフトボール部の次期部長とかで、しっかり者の小春だけど、私は彼女の弱味をいくつも知っている。
「小春……は、無事なの?」
と、半分笑いながら真夏くんが尋ねてくる。
「無事だよ」
私も笑いを堪えきれず、口角を上げて答える。
「無事なら、まぁ、良かったよね」
「うん。だけど、この三日間で全てが決まるけどね」
「三日?」
(しまった!)
「何かあるの? この三日間」
「……えっと」