花火が打ち上がる時間になった。

事前にとっていた席に座る。

周りはカップルだけだ。

プログラムが読まれていく。

言わなくちゃ。

始まってからがいいかな。

言いたくないな。

どんどんプログラムが進んでいく。

花火は好きだ。

綺麗な光の後にそこからは想像もできない心臓に響く大きな音が聞こえてくるのだから。

でも、今日で花火が好きだという思いも苦い思い出に変わるだろう。

花火の音でかき消されたらいいなという願いを込めて声を出す。