時は1ヶ月程遡る。


どこから流れてきたか分からない噂で転校生がくることを知った。

HRで案の定担任が紹介をする。

「これからこのクラスの仲間になる子を紹介します」

「入ってきてください」

音をたてて教室の扉が開く。

絵に描いたヒロインのような子が教室に入ってくる。

「親の事情で転校してきました!漣 純花です!よろしくお願いします!」

明るい声で挨拶をして、ペコリと音が鳴るようなお辞儀をした。

人工的な明るい挨拶をする私より、涼平はああいう女の子が好きなのだろう。

花織が教えてくれたのだが、涼平は私のことが気になっているらしい。

あまり信じられないが、頭の片隅にはいつもその考えがある。

休み時間になり、転校生___もとい漣さんの周りに人が集まる。