「次の日曜日暇か?」

涼平から投げかけられたその言葉を私はすぐに理解できなかった。

「____え?」

たしか、次の日曜日は花火大会のはずだ。

この地域の花火大会にはあるジンクスがある。

もう卒業した先輩がやったことらしいのだが、
最後のプログラムのスターマインのときに告白をすると一生別れないでいられるらしい。

最も、私にはそもそも別れる相手がいないのだが。

でも、涼平にはいるはずだ、なのになんで私に聞いてきたんだろう。

この情報だけで私の脳はキャパオーバーだ。

「やべっ!次の授業始まっちまう!暇か確認しておいてくれよな!」

一緒に行く相手もいないのだから暇に決まっている。

でも、素直にそんなことを言って純花が「ドッキリでしたーw」なんて言ってくるかもしれないと嫌な妄想が広がっていくので考えることを諦めた。