「新河さん、よろしくね。私は執事の佐藤。

 基本的に家事全般は私がしてる。

 ご主人が言っていたように、あなたはお嬢様のお世話をしてちょうだい」





「え、と、お嬢様、のお名前は、」





「あら、ご存じないの!

 夕方の夕に羽で、夕羽(ゆう)様よ」





ゆう、さま





さっきのお嬢様が夕羽様だとしたら、とてもお似合いだ、






そう思った。





そしてなぜか、聞き覚えのある名前だった。





前に会ったこと、あったっけ?





いや、そんなの俺に限ってないか。





「とても可愛らしいお名前ですね」





「そうでしょう?奥様が悩みに悩んでつけてくださった大切なお名前なのよ。」





「そうなんですか...素敵ですね。」






愛されてるなあ、





御神家を何も知らない俺の第一印象は、それだった。