ついに本物の執事になる当日。





俺の身長の2倍くらいある門の前に立って、深呼吸してからインターホンを押した。





「おはようございます。今日からお仕えする新河 想(あらかわ そう)と申します」





「はい、ただいま」





別の執事さんであろう方が応答してくださった。






少し安心したのもつかの間、門についていた重そうな柵が開いた。





と思ったら、とてつもなく広い庭に、真っ白のワンピースを着た少女がいた。





とても綺麗で儚くて、白が似合う女の子だった。





___初めて会うはずなのに、よく知ったような姿だった。





遠くて、顔はよく見えない。





長く短い間見惚れてしまったような気がしてはっと我に返る。





やべえ、俺は執事なのに。





「どうぞ、こちらへ」





さっきの執事さんが案内してくださったので、ついていった。