興奮の余韻は中々冷めなかったが、その日の最終便で長崎に帰り、これからのことを考えた。
 もちろん、『ロンリー・ローラ』の販促についてである。
 レコード店との関係は良くなりつつあるので、発売になったら多くの店が取り扱いをしてくれるだろう。
 しかし、ラジオ局との関係が問題だった。
 番組で取り上げてもらえなければ認知度は上がらない。
 どれだけ多くオンエアしてもらうかが鍵なのだ。
 なんとかしなければならなかったが、手立ては何も思いつかなかった。
 それでも焦る気持ちを押さえて解決の糸口を探り続けた。
 何か策があるはずなのだ。
 しかしそれを見つけられないまま、ただ時間だけが過ぎていった。