路面電車に乗って、長崎駅で降りた。
 ここも人が多かったが、諏訪神社近辺とは比べ物にならなかった。
 ここなら待たずに入れる店があるだろうと思って、駅付近を歩き回った。
 すると、表通りから少し入った先にのぼりが見えた。『トルコライス』と書いてあった。

 トルコライス? 
 なんだそれ? 
 長崎でトルコ料理? 
 何か関係あったっけ? 

 恐る恐る店の扉を開けると、ほぼ満席だったが、カウンターに空きがありそうだった。
 店員が近づいてきた。

「いらっしゃいませ」

 素敵な笑顔に思わず見惚れてしまった。
 それにメチャ可愛くて、一瞬ボーっとしてしまった。

「カウンターでよろしいですか?」

また、飛び切り可愛い顔で見つめられた。

「ハ、ハイ」

 彼女の左頬のえくぼに気を取られて、近くのテーブルにぶつかりそうになった。