「KIZUNAステーションは予想以上に好調なスタートを切りました。というより絶好調です。ですので、弊社単独出資でも十分にやっていけます。他社からの出資は必要ないのです」

 この事実をしっかり認識させるためにここで話を切った。
 そして射るように理事長を見つめると、
 彼は、わかったというように頷いてから視線を下に向けた。
 それを見て、声を強めた。

「しかし、弊社は自社の利益のためにKIZUNAステーションを運営しているわけではありません。洋楽全体の再興を目的としているのです。そのことは最初にご説明した時に申し上げました。そして、これが最後のチャンスだとも申し上げました。しかし、理事長の返事は冷たいものでした。お金が無いから無理だと言われたのです」

 当時のことを思い出させるように話を切った。
 そしてもう一度射るように見つめると、今度は居心地がかなり悪そうに顔を歪めたが、理事長が視線を外すことはなかった。