日本の音楽業界は、J・POPに偏り過ぎた歪な状態を脱しない限り再興の道は見えてこないだろう。
 若者の数自体が激減していく中でJ・POPに頼りすぎるのは危険なのである。
 売上の8割がJ・POPなんて余りにも歪だ。
 だから、売上が邦楽の十数パーセントしかない洋楽へのテコ入れが急務だと考えていた。

 ベンチャーズやエルヴィス・プレスリー、ビートルズやローリングストーンズ、サイモン&ガーファンクル、ビージーズ、アバ、カーペンターズ、そして、マイケル・ジャクソンなどで洋楽に親しんだ人は多い。
 しかし、その人たちが中高年になった今、洋楽に触れる機会がどれほどあるだろうか? 
 残念ながらほとんどないと言っても過言ではないだろう。
 洋楽経験が豊富で、かつ、お金と時間に余裕がある中高年にもう一度洋楽の門を叩いてもらうためには専門局を立ち上げるしかない。
 須尚は洋楽の業界団体である『日本洋楽振興会』を口説くことにした。