REIZのデビューアルバムの録音は順調に進んだ。
 プロデュースと録音エンジニアリングを任せたキーボーの力量は想像をはるかに超えていた。
 ビートローリングスが指名するだけのことはあった。
 非の打ち所がなかった。
 というより完璧と言ってもよかった。
 完全に脱帽した。

 それに加えて、キーボーとタッキーとベスが学生時代のように心を通わせていることが麗華と令に好影響を与えているようだった。
 喧嘩別れした彼らがなんのわだかまりもなく一体となってレコーディングに取り組んでいる姿が安心感を与えていたようだし、幾多の荒波を乗り越えてきたハイレベルなやり取りに大きな刺激を受けているようだった。
 これは麗華と令にとって最高の教育の場となっているのは間違いなかった。
 だからだろう、プロの心構えを感じ取った2人の演奏レベルは目に見えて上がっていった。