「えっ、これって、えっ、あの」

 心臓が飛び出したかと思うほど驚いた。
 REIZの4人も開いた口からノドチンコが飛び出しそうになっていた。
『ビートローリングス』だった。
 世界最高のロックバンド。

「古い付き合いでな、俺以外のエンジニアとは組まないと言って聞かないんだ」
 と笑った。
 そしてビートローリングスの前作を差し出したので受け取ると、裏面を見るように促された。
 プロデューサー名の下にエンジニアのクレジットが載っていた。
 KIIBOO。

「キーブーとしか呼ばれないけどな」

 ニヒルに笑った。
 その顔を見て不安が吹き飛んだ。

 悪かったな、お前の腕を疑ったりして。

 心の中で手を合わせた。

「まさか俺の息子とスナッチの娘がバンドを組んで、それに、タッキーとベスが加わるなんて、アンビリーバボーだよ」

 キーボーがおどけたように言った。

「確かに。事実は小説より奇なりだな」と返すと、
「正にね」とキーボーが頷いた。
 すると、「縁だよ、縁。間違いなく縁!」とタッキーが笑いかけた。
「チッチッチ!」
 人差し指を振りながら、ベスが砕けた口調で参戦した。
「縁より深いもの、な~んだ?」
 ん? 
 その場にいた5人は同時に首を傾げた。
「絆だよ、絆。切っても切れないキ・ズ・ナ!」
 ベスが自らの胸に手を当てた。