反応を返せなかった。
 心臓が止まりそうになっていたからだ。
 足を動かすこともできなくなって立ち止まった。 
 すると、ん? というような表情になって笑美も立ち止まった。

「どうしたの?」

 心配そうな声が口から漏れた。

「今、1日1回って言ったよね」

 やっと声を絞り出すと、すぐさま笑美が頷きを返してきた。

「それだよ」

「それだよって、何が?」

 言っている意味がよく理解できないというふうに笑美は首を傾げた。