その週末、美麗の仕事が終わるのを店の外で待っていた。
 しばらく会っていなかったので少し緊張していたが、それよりもワクワク感の方が強かった。

 仕事を終えた彼女が店から出てくると、顔を見るなり満面に笑みが浮かんだ。
 そして飛びつくように手を取って小躍りした。

「良かったわね」

 持った手を左右に揺らした。

「パパが褒めてたわよ。彼はたいした男だって」

 良かった……、

「それにね、また家に連れてきなさいって」

 えっ、本当? 
 ヤッター! 

 放送局と自宅への二重の訪問禁止が一気に解除された。
 天にも昇る気持ちになったせいか、思わず彼女を抱きしめてキスをした。
 店のすぐ外だったが構わずキスを続けた。
 彼女も嫌がらずにその喜びを受け止め続けてくれた。