3月3日は朝から快晴だった。
 愛しい人の誕生日に相応しい素晴らしい青色が空に広がっていた。
 天は二物を与えずというが、彼女は三物も四物も与えられているように感じた。
 それに対して自分は釣り合っているのだろうかと自問したが、意味がないので止めた。

 釣り合っていないのであれば釣り合うように努力するしかないのだ。

 そう言い聞かせて心の中の不安を切り捨てた。
 そして精一杯おしゃれをしてアパートを出て、花屋に寄った。
 何を買えばいいのかわからなかったが、店の人に色々聞いて最適と思われるものを買い、喜んでくれるのを願って彼女の家に向かった。