上半身を起こすと、ある違和感に気付く。
確か昨日机の上でそのまま寝てしまったはずが、朝起きたらベッドの中。
机の上にあったはずのお母さんの写真はいつものタンスの上の定位置に戻してある。
だけどその写真は見えないように伏せられていた。
こうやって身に覚えのない動作などはよくある事。
机の上には昨日バイト先で晩ご飯用のまかないを食べきれずに持ち帰ってきたお弁当が空の状態で置いてあった。
「宇音……来てたんだ」
磐乃宇音。
宇音は私の双子の兄。
宇音と会う事は滅多に無い。
たまにこうして無言で私の家に来てはご飯を食べにくる。
そして何事も無いようにどこかへ行ってしまう。
宇音は決まって私が寝ている時間にやって来る。
宇音が来る時はいつも、お母さんの写真が伏せられている。
宇音はお母さんの事が嫌いなのだろうか?
お母さんは誰にでも優しかった。
そんなお母さんを嫌う理由なんて無いはず。
宇音と実際に会って会話した事は一度も無い。
宇音が普段どんな姿で何をして、何を考えてるかなんて分からない。
ただ知ってるのは、私と宇音は瓜二つの顔を持つ双子で唯一の家族ということだけ。
確か昨日机の上でそのまま寝てしまったはずが、朝起きたらベッドの中。
机の上にあったはずのお母さんの写真はいつものタンスの上の定位置に戻してある。
だけどその写真は見えないように伏せられていた。
こうやって身に覚えのない動作などはよくある事。
机の上には昨日バイト先で晩ご飯用のまかないを食べきれずに持ち帰ってきたお弁当が空の状態で置いてあった。
「宇音……来てたんだ」
磐乃宇音。
宇音は私の双子の兄。
宇音と会う事は滅多に無い。
たまにこうして無言で私の家に来てはご飯を食べにくる。
そして何事も無いようにどこかへ行ってしまう。
宇音は決まって私が寝ている時間にやって来る。
宇音が来る時はいつも、お母さんの写真が伏せられている。
宇音はお母さんの事が嫌いなのだろうか?
お母さんは誰にでも優しかった。
そんなお母さんを嫌う理由なんて無いはず。
宇音と実際に会って会話した事は一度も無い。
宇音が普段どんな姿で何をして、何を考えてるかなんて分からない。
ただ知ってるのは、私と宇音は瓜二つの顔を持つ双子で唯一の家族ということだけ。