「まぁまぁ、お店混んだつしてるし定員さんも忙しそう何だから少しは落ち着きなさいよ」

「フン!」

「ごめんなさいね?この子せっかちで面倒臭いけど気にしないでね。
お会計お願いします」

「あ、は、はい…。お会計3.876円です」


「何あおちゃんが謝ってんのよ。てか私の事せっかちで面倒臭いって一言余計だし…」



待たせてしまったのはこちら側だし、よりにもよって私みたいなコミュ障の人相手だと尚更怒るのも無理ないのに、後ろでブツブツと呟いてる女の子とは違って余裕そうな雰囲気でお会計を済ませるお姉さん。



「あ、ありがとう……ございまし…た…」



お会計を済ませ、お礼を言って2人は去るかと思いきや、お姉さんの方が私の顔を覗き込んできた。



「えっと……な、なにか……?」

「あなた……どこかであったことあるかしら?」

「え、いや、な、無いとお、思い…ます…」

「そうよね。ごめんなさいね、私の知り合いに似てたものだからつい気になっちゃって。
ここのお料理とっても美味しかったわ!また来るわね!」

「あおちゃーん何してるの?早く行くよ!」

「はいはーい!じゃ、またね!」


「ありがとう……ございました…」



びっくりした…。

いきなり整ってる顔が近距離で来たものだから一瞬にして心臓の心拍数が上昇した。



『ここの料理とっても美味しかったわ!また来るわね!』



あんなに素敵に笑みを浮かべる人初めて見たかも。


世の中ってあんなに綺麗で心優しい人がいるんだなぁ。

恐らくどこかの有名人なんだろう。



穏やかに過ごせると思ってた土曜日が、台風に変わった1日だった。