物心付く前に父親の暴力行為により、両親は離婚をし、小学生に上がる直前で母親が病気で天国へ旅立って行った。
暴力行為もあり酒癖も悪かったとされる父親は裁判で親権を失っている。
父方の祖母と祖父、母方の祖父はすでに他界。
母方の祖母は認知症により介護暮らし。
親戚も居ない為引き取り先の無い私は、小学生から中学生の義務教育期間だけは養護施設で育った。
お風呂とトイレの一体型のユニットバス。
小さなキッチン付きのワンルーム。
中学卒業してからはこの部屋で暮らしている。
「お母さん、行ってきます」
タンスの上に飾られたお母さんの写真。
毎日家を出る時にこうしてお母さんに挨拶をする。
平日は朝の10時から18時までバイトをして、そのまま学校へと向かう。
高校は夜間授業を行っている定時制の学校に通っている。
全日制の高校とは違い、制服も無ければ決まった校則も特に無い為来る人皆私服だったり、金髪だったりと自由。
制服代やご飯代など無理な出費を出す事が無いからこそ、定時制の高校を選んだ理由でもある。