〇学校・裏庭


◇放課後



「で?わざわざ人気のないところで話って何?」



「………………」



え?ここに来て無言?



「あの……?」


「実は……佐野さんのお姉さんと話せるようにして欲しいんだ」


ハナセルヨウニ、シテホシイ?


未来屋くんを見ると、顔だけでなく耳まで少し赤くなっている。



「はっ!もしかして……」



「……そう。好きなんだけど話す機会がないから佐野さんに作って欲しいんだよ」



なっなななんと!私がお姉ちゃんの恋のキューピットになれるということなのでは!?



大ちゃんからの言葉に苦しめられてまともに恋愛しようとしないお姉ちゃんに春を送るチャンスでは!?



「作ります!いいえ、作らせてください!」



勢いのままガッ!と未来屋の手を握る光里。



「ほっ、ほんと?」



「私に任せて!絶対上手くいくようにするから!」


「うっ、うん……」



ついにお姉ちゃんにも春が来るかもしれない!


よーし。2人の恋が実るかは私の腕にかかってるんだから頑張らなきゃ!




――(回想終わり)