「この前お会いした時が初めてのデートでした」




「はっ初めてなのか……」



俺さっきから変な回答してるか？反応的にすごい不安なんだけど……。




「……娘のどんなところが好きなんだ？」



「……人の感情に寄り添えるところですかね。人からの感情に1番敏感な先輩だからこそだと思います。その分傷つきやすい性格ですけど、そこもまた愛おしいんです」





「……君は、音羽の弱さまでも好きでいてくれるんだね」





「どんな先輩でも、俺にとっては好きだと思える一部分なので」






「そうか……真剣に好きでいてくれてるんだね、娘のことを」




「はい」




「音色のようにどんな人も癒してくれる子になって欲しいって願って、音羽という名前にしたんだ」




遠くを見つめる音羽の父。




「あの子は私たちが願った子に育ってくれているんだね」