彼はどんな時も優しい。



さっき大輝が「煽てられて勘違いしたんだろう?」って言ってたけど、正直否定できなかった。



可愛さなんて無い私のことを可愛いとか綺麗だなんて、きっとお世辞なのでは?って密かに思っている。



まだ、彼の隣に立つ将来の自分に自信が持て無いのだ。




それでも、いつも私を褒めてくれる彼に同じだけの気持ちを送りたい。





よしっ……言うぞ。



心の中でガッツポーズをし、気合を入れる。



「今日……かっ、カッコ良かった……」




気合とは裏腹に出た声は小さく、さらに誉め言葉を口にしたのが予想以上に恥ずかしくて顔が赤くなる。



「っ……!!」



その可愛さに悶えそうになる末来屋。



伝わったのかな……?




「……デジャブなの?見送った時と同じ光景を見せられてるんだけど」



「光里?!」



呆れた顔で私たちを見ている妹。